5.仕事をこなすには (その2)2018年01月15日
前回 続き、4.2(3)から
(3) 必ず完成させる(振り絞れるエネルギー量を知っておく)
仕事をこなすのに、先ず能力があるか、次に準備は万端か、と問いをしておいた。これは、意識が高いことと準備に必要な志の観点を示したものである。
さて、それらが揃ったところで完成させる意気込みを考えておく。何といっても仕事を片付ける強い意気込みが必要である。しかも短期における決着が期待される。すると、本人のもつ仕事に捧げる情熱のエネルギーはいかほどのものであろうか。できればエネルギーの総量は大きいほど良い。そのために、日頃から、困難な課題に直面する場面を作り、どれだけ仕事に注げるエネルギーがあるのかどうか、知っておく必要がある。
分り易いのは、一日で何時間本を読み続けることが出来るか、やってみよう。
正味、13時間が賄えられるなら、一応合格としておこう。
(4)相手を信頼する
これまで述べてきた個所では、何事も人とのつながりが大切で、結局、仕事の解決にはひととのつながりが欠かせないものであることが分かってきた。このことは、能力にしろ、志の高い準備にしろ、人とのつながりが大切であることを意味している。
この(4)であえて、相手を信頼すると書いたことには意味がある。つまり、仕事は自分のためにだけこなすわけではない。おそらく、自分にとっても、相手にとっても、深いつながりから今日の仕事状況が生まれているわけで、片方だけが得をする商売はあり得ないことを強調するために項目を作ったものである。相手を信頼することは、いろいろな本を読めば、当然と思えるような例がたくさん報告されている。それを自分流に拾いあげ、説明しやすいように並べ替えることは重要な意味を持っている。
◇ 4.3 仕事をこなすにはステップを5つに区切る
実際、仕事にとりかかる時、何から出発してどこまで進めるのか、と考えるとなかなか考えがまとまらないようである。そこで、仕事の種類、量、計画か実践か、などを大きく分類し、5項目程度に仕事の進行について区切って考えてみると意外にやり易いことに気づくでしょう。スケジュールの中に、誰と組むか、いつまでに作りあげるか、という観点を忘れないように常にメモを書いておきましょう。
さて、仕事をこなすための第1歩ですが、内容の事柄を分類して、区切りを作り、相互関連に注意を払い、分類表を作成します。ここに掲げた方法論は、私の経験に照らしてみたもので、人により若干異なります。以下、5項目について、順番に説明しておきます。これは、一般には、PDCAサイクルと呼ばれているものに近いものです。PDCAサイクルとは、P(プラン)、D(実行)、C(チェック)、A(アクション)として知られています。
(1)計画 (目標とは、現状における未来への意思決定である)
目標は、本計画の行き先および仕事としてこなす分量、ボリュームのことを指します。全体像を把握するには、整理作業、予備計画に基ずく計画の練り直し、および具体的実行性が必要となります。
その前に、常にメモの書き出しとその纏めの整理が有益になるでしょう。
(2)闘志 ( sleep with problem )
個人の計画、あるいは組織の計画のどちらにとっても、目標に向かい突き進み、完成するのを見届けることは最も重要な管理業務です。
闘志と書いていますが、これは志を常に目標に向かい進むためには、高くて、大きい志が無くては為しえません。志が大切であることを、組織的集団の課題に結び付けると、組織の方向性と組織が持つ全エネルギー量が決定的な役割を持つことがこれまでの経験から知られています。
さらに、高い志と同時に固い志が必要です。それを、闘志と言っていますが、やるぞという篤く燃え滾る精神と置き換えてもよいでしょう。最終的な目的地に到着するのは生易しくはありません。
(3)実行 (ものは創ってみてこそ、価値が膨らむ)
計画から作り上げる段階を経て、完成した製品を眺めるのは大変嬉しいものである。前文で書いた「物は創ってみてこそ、価値が膨らむ」という言葉がピリッと効いて引き締まる思いがする。自分の寄与がどれぐらいかははっきりしなくても、予想はつくものである。
たいていは、次の機会に大きく飛躍できる要素を掴むことが多い。人間はそれほどまでに、新しい経験から次の経験に移行する際、能力の飛躍が生まれるものである。実行は経験のない品物を新しく作り上げるときこそ、思いがけない産物ができるように努力を無意識のうちに発揮できるものとなるようである。 やりたいことは、まずやってみる。
(やってみたいが、しかし。時間がない。年を取り過ぎた。)と言ってる間に時刻は刻まれていく。しかも、記憶が薄れていく方向に、非可逆的に過ぎるもののようである。やれば案外やりくりが叶うものである。
(4)総括 (一段高い視野で物事を判断する習慣が、自らを成長させる)
メモし、計画を纏め、実行して取りあえず解を得てみる。
数字と事実の積み重ねから、視野が広く、かつ高い観点から判断できる能力を高めてくれるようである。
つまり、経験とぶつかり合う事実は、これまでの経験とは時間的に異なり、事実は変化量が定常なデータの流れとなるため、大きい波の上に重なった小さい波の動きが平常のものとなり、絶えず変化する値を読み取る必要があるからである。高くて広い視野を持った着眼点こそ、人の持つ新しい頭脳となり得よう。
(5)展望 (新たなステップに踏み出す)
高い観点から判断できる能力がつけば、観点の土台となる位置が広く、かつ高くなるため、思いもよらない新しい考え方が生じてくるものである。また、土台の高さだけではなく、頭を巡らす全体角度がより広くなるものである。
したがって、気が付かないうちに、視野の取り方がうまく発展するため、判断に幅が生まれてくることがあるようである。
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